山本さんは約6年前、創業100年を超えるこの老舗企業に転職した。パッケージや包装紙の企画やデザインから印刷、製造を行う一貫生産の中で、印刷課に所属している。「入社当初は前職と全く異なる内容に、不安と新しいことに挑戦できる期待が入り混じった気持ちでした」。紙のズレや発色、印刷機の稼働具合など確認事項をいくつも同時に行う。しかも紙は、温度や湿度に対してデリケート。見て触って確認しながら微調整も必要である。「ローラーの交換やニップ調整など、機械のメンテナンスは最も難しい業務です。この段階から美しい仕上がりは始まっているので、とても気を遣います」。未経験の仕事に向き合って約6年。機械トラブルが激減したスムーズな仕事ぶりは、他社員の信頼を得るまでに成長した。「発売前の商品パッケージを印刷する優越感や、印刷したもの身近な商品を店頭で見つける喜びにやりがいを感じています」。今後さらに知識や技術を増やし、技能検定受験も視野に入れていく。
山本さんの趣味は、子どもの頃から続けているプラモデル作りや釣り、コロナ禍で頻度が増した友人とのオンラインゲーム。さらに近年加わったのがゴルフである。「友人に誘われて始めて、今では打ちっぱなしやコースにも出ています。屋外でのラウンドは気持ち良いし、楽しいですね」。釣りやゴルフのように屋外で遊ぶ気持ち良さを堪能している。もちろん、身近な屋外への想いも強い。「春になると必ず、味真野小学校の校庭の真ん中にある桜を見に行っています。自分にとっては恒例行事のようなものです。毎年、本当に綺麗だし、見ているだけで癒されます」。
取材内容は2023年3月現在のものです。