山本さんの一日は、そば粉を一掴み手に取り、握ることから始まる。毎日変わる温度、湿度、素材の持つ保水量を計算し、その日の麺生地の加水量を決めるためだ。「水加減の調整は工場内全ての工程で最も重要な作業。これによって仕上がりが全然変わってしまうので、毎日プレッシャーと闘っています」。レシピはあるが、手で握った感覚がポイントとなる職人技。この作業を任されて約一年、「先輩たちが築いてきた武生製麺のブランドをさらに高めるため日々努力です」。そば道場を併設するこちらでは、顧客の反応を見る機会も多い。緊張感を持ちつつ、それを楽しんでいる山本さん。「やっぱり武生製麺の蕎麦は美味しい!と言ってもらえると、日々のプレッシャーを忘れるほど嬉しいです」。
釣りをこよなく愛す山本さん。休日ともなると早朝3時ごろから海釣りに出かけるのだとか。「真冬を含め、オールシーズン釣りに出かけます」。料理も趣味で、釣った魚を捌いて新婚の奥様に振る舞うこともあるのだとか。「早朝から竿をたらしても一匹もかからないこともあるんですが(笑)。釣りをしているときは日々のプレッシャーからも解放されて何よりリラックスできます」。
取材内容は、2017年10月現在のものです。